犬の目やにが多い — 色で見分ける原因と正しいケア
この記事は獣医師の監修を受けています
朝起きたときに犬の目の周りに少量の目やにが付いているのは正常ですが、「最近目やにの量が増えた」「目やにの色が変わった」と感じたら注意が必要です。犬の目やには、目の表面を守る正常な分泌物であると同時に、感染症やアレルギー、目の病気のサインでもあります。この記事では、目やにの色別の原因と正しいケア方法を解説します。
目やにの色で見分ける原因
透明〜白っぽい目やに — 正常・アレルギー・軽度の刺激
透明でサラサラな涙のような分泌物や、白っぽくやや粘りのある目やには、以下の原因で起こります。
- 正常な分泌 — 朝起きたときに少量付いている程度は生理的に正常
- アレルギー — 花粉、ハウスダスト、食物アレルギーなどで涙の量が増える
- 風や異物による刺激 — 車で窓を開けて走行した後、草むらで遊んだ後など
判断基準: 少量で1日1〜2回拭く程度なら問題なし。量が明らかに増えた、または目を気にしてこすっている場合は受診。
黄色〜黄緑色の目やに — 細菌感染の疑い
黄色や黄緑色のドロッとした目やには、細菌感染を伴う結膜炎(けつまくえん:目の表面を覆う粘膜の炎症)の可能性が高いです。
- 細菌性結膜炎 — 細菌が目の表面で増殖し、膿のような目やにが出る
- 角膜潰瘍(かくまくかいよう)の二次感染 — 目の表面に傷がつき、そこに細菌が感染
- ドライアイ(乾性角結膜炎) — 涙の分泌量が減り、目の表面の防御機能が低下して感染しやすくなる
判断基準: 黄色〜緑色の目やにが2日以上続く場合は受診。目が赤い、腫れている場合は当日中に受診。
茶色〜赤茶色の固まった目やに — 涙やけ・慢性的な涙の過剰分泌
目頭から鼻にかけて茶色い筋がつく「涙やけ」は、涙の成分(ポルフィリン)が酸化して変色したものです。
- 鼻涙管閉塞(びるいかんへいそく) — 涙の排水路が詰まって涙があふれる
- 逆さまつげ(眼瞼内反) — まつげが目の表面を刺激して涙が増える
- アレルギー — 慢性的な涙の過剰分泌
判断基準: 涙やけ自体は緊急性はないが、目を痛がる・しょぼしょぼさせる場合は受診。
血が混じった目やに — 外傷・重度の炎症
赤みを帯びた目やにや、明らかに血が混じっている場合は、目の表面の傷、重度の結膜炎、異物、または目の周りの外傷が考えられます。当日中に受診してください。
犬種による注意点
短頭種(パグ、フレンチブルドッグ、シーズーなど)
目が大きく突出しているため、目の表面が乾燥しやすく傷つきやすいです。ドライアイ、角膜潰瘍のリスクが他の犬種より高いため、目やにの変化には特に注意が必要です。
涙やけが出やすい犬種(トイプードル、マルチーズ、チワワなど)
小型犬は鼻涙管が細いため涙やけが起こりやすいです。毛が白い犬種では特に目立ちます。
垂れ耳・長毛種
目の周りの毛が長い犬種は、毛が目に入って刺激になりやすいです。定期的なトリミングが重要です。
今すぐ病院に行くべきサイン
以下のいずれかに当てはまる場合は、当日中に受診してください。
- 目を完全に閉じている、または片目をしょぼしょぼさせている
- 白目が真っ赤に充血している
- 目の表面が白く濁っている
- 目が腫れている、まぶたが赤く腫れている
- 黄色〜緑色の目やにが大量に出ている
- 目を前足でこすり続けている
- 目に異物が見える(草の種、毛など)
- 目の大きさが左右で違う(片方が大きい or 小さい)
様子見してよい場合
以下の条件をすべて満たす場合、2〜3日の自宅観察が可能です。
- 透明〜白っぽい少量の目やにが朝に付いている程度
- 目を気にする様子(こする、しょぼしょぼする)がない
- 白目の充血がない
- 目の表面が透明でくもりがない
- 食欲・元気が通常通り
- 左右の目の状態が同じ
3日以上目やにの量が減らない、または増えてきた場合は受診してください。
自宅でできるケア
- 目やにの拭き取り — ぬるま湯(体温程度)で湿らせたガーゼやコットンで、目頭から外側に向かってやさしく拭き取ります。目ごとにガーゼを交換し、感染が広がるのを防いでください。
- 拭き取りの頻度 — 朝晩の1日2回が目安。黄色い目やにが多い場合は1日3〜4回。
- 目の周りの毛のケア — 目にかかる毛は定期的にカットし、目やにで固まった毛は無理に引っ張らず、ぬるま湯でふやかしてから取り除きます。
- 手を清潔に — ケアの前後は必ず手を洗ってください。
- 市販の目薬は使わない — 人間用の目薬や市販の洗浄液は、成分によっては犬の目を傷つける可能性があります。使用する場合は獣医師に相談してください。
- エリザベスカラーの検討 — 犬が目をこすり続ける場合、悪化を防ぐためにエリザベスカラー(傷をなめたりこすったりするのを防ぐ保護具)を装着します。
病院に行くときの準備
- 目やにの写真(色・量がわかるもの。朝の拭き取り前に撮影するのがベスト)
- 症状の経過(いつから増えた、色の変化、片目か両目か)
- 目を気にする行動の有無(こする、しょぼしょぼする、家具に顔をこすりつける)
- 生活環境(散歩ルートに草むらがある、最近シャンプーした、新しいフードに変えたなど)
- 既往歴(アレルギー、ドライアイの診断歴)
- 使用中の点眼薬(ある場合)
目の状態は時間帯によって変わることがあるため、症状が強い時間帯に写真を撮っておくと診察に役立ちます。
この記事の情報は一般的な参考情報です。個別の症状については必ず獣医師にご相談ください。